【報告】第二回BreakTalks「テーマ:子ども食堂」(ゲスト:土井裕平さん)を開催いたしました。(2021.8.25)

8月25日(水)、S.C.P.Japanは、第2回目となるBreak Talksを実施しました。今回は石川県金沢市で子ども食堂「おおくわこども食堂」を運営している土井裕平(どい ゆうへい)さんをゲストに招き、「子ども食堂」をテーマに開催しました。土井裕平さんは、児童養護施設で働く傍ら、2年前に「おおくわこども食堂」を立ち上げ、現在食堂の代表としてボランティアで活動を行っています。

前半のゲストトークでは、土井さんが「子ども食堂から見る共生社会の形」をテーマに、活動紹介や、食堂の経営や運営を通して感じた課題などを説明しました。

「おおくわこども食堂」の活動とは?

2019年1月より、金沢市大桑町の地域住民を対象に「おおくわこども食堂」を運営しています。食堂は月1回の開催で毎回約50名の子どもと大人が参加しています。開始当初は集会所を借りて会食をしていましたが、新型コロナウイルスの影響により、2020年5月より現在までお弁当配布の形式となっています。

「おおくわ子ども食堂」では食事の提供に加え工夫をこらした活動を行っています。子どもたちに様々な体験の機会を提供するためラテアート体験会なども実施しました。保護者の方のリフレッシュを目的に、整体院の先生を招いて保護者の方に施術を受けていただいたこともありました。また、地域住民以外にも対象を広げ、子育て家族を支援するため、芋ほり、キャンプなどの自然体験が出来るイベントも実施しています。

「おおくわこども食堂」の収入は参加者の参加費です。現在の参加費は、子どもが無料、大人は300円となっていますので、一定程度の大人の利用がないと収入が確保出来ない仕組みとなっています。支出として、食材費、会場費、保険代等の支出があり、恥ずかしい話ですが、現在マイナス経営となっており、不足分を寄付で賄っているという状況です。収入を確保し、経営を安定させることについて課題を感じています。

「おおくわこども食堂」を運営して感じることは?

大桑町は集合住宅が多いという特徴があります。集合住宅には、シングル家庭が多く、高齢者、障害者の方など様々な方が住んでいますが、居住者の入れ替わりが早いことや孤立している家庭があることから、どこに誰が住んでいるのか見えにくいという課題があります。

自身が精神障害の父を持ち複雑な家庭環境に育った経験も子ども食堂に関わろうとしたきっかけの一つとなっています。普段は児童養護施設で働いていて施設では社会的養護の下にある子どもと接しています。地域社会の中にいながらも孤立していて社会的養護に置かれる一歩手前にいる一番苦しい立場・段階にあるお子さんとその保護者のために、予防的な観点から子ども食堂を通して何か出来ないかと考えています。

食堂の回数を重ねることで、利用者の繋がりが深まっていることを感じます。ある利用者のお母さんから、子ども食堂にしばらく参加していない子どもを心配する声があがり、この子どものお宅を訪問し様子を見に行ったことがありました。また、学校に行きづらくなったあるお子さんに対して、子ども食堂利用者のお母さんがこのお子さんのお母さんに子ども食堂に来ることを勧めたことがきっかけで、このお子さんが子ども食堂に参加し、他の子どもと接するようになり、その後学校に行くことが出来るようになった例もありました。

子ども食堂は、単にゴハンを食べる場所ではないということも意識しています。子どもに様々な体験をする機会にしたいと思いますし、学校に行きづらい子どもにとっての居場所にしていけたらと思います。また、運営に関わっている子育てを終えたボランティアの方々より、この食堂で調理を行ったり利用者と関わることが生きがいになっているという言葉も頂いて嬉しく思っています。

今後の活動としては、自然体験や、子どもに直接アプローチできるように駄菓子屋を行う予定にしています。さらに、食品を必要とされる方に食品ロスになってしまう食品の無料配布を行うフードパントリーの活動も行っていきたいと考えます。

後半は、S.C.P. Japan理事で繁浪さんのファシリテーションのもと、土井さんと参加者でディスカッションを行いました。参加者から、学校や市役所と協力して子ども食堂を知ってもらう活動を行ったらいかがか?という提案がありました。これに対して、現状石川県では、各学校が子ども食堂の活動を父兄に宣伝することについて個別に判断出来ず教育委員会の判断が必要となることについて説明があり、今後学校と子ども食堂の関係を築くことの重要性を議論しました。市役所との関係においては、市役所の子育て支援課が子ども食堂や子育て支援団体の情報をまとめたパンフレットを様々なところに配布しているものの本当に孤立している家庭には情報が届いていない状況が説明されました。参加者やボランティアの口コミや、集金を行う人など孤立世帯の方と接触が出来る立場にある人を活用して子ども食堂の情報を提供出来ないか、などの意見交換を行いました。

最後に、土井さんより、児童施設にいる子どもも孤立した家庭で育つ子どもも大人の支援により将来を変えることが出来ること、その子供たちを信じ小さいながらも支援を止めず、新しい取り組みを行いながらこれからも支援を継続していきたいというメッセージがありました。

S.C.P. Japanは、BreakTalksを通して今後も多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作りたいと考えています。

多種多様な方々22名にご参加いただき、参加者及び関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。

最後に本企画を実施するにあたり、参加を快くお引き受けいただきました土井さん、そして運営面で動いてくださったボランティアスタッフ、手話通訳の皆様に心より感謝を申し上げます。

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