【報告】パートナー連携:S.C.P. Japan・おおくわこども食堂・TSUTSUJI株式会社が協働し、石川県にて「スポーツ×子ども食堂」イベントを開催!

スポーツを通じた共生社会づくりを推進する一般社団法人 S.C.P. Japanは、石川県金沢市の地元企業TSUTSUJI株式会社とパートナー契約を結び、石川県に元気を届ける活動を開始します。


一般社団法人 S.C.P. Japanと石川県の繋がり

これまでS.C.P. Japanでは、石川県金沢市おおくわを拠点に毎月子ども食堂を運営する「おおくわこども食堂」協力のもと、2021年から「スポーツ×子ども食堂」をテーマにコラボレーションイベントを実施してきました。おおくわこども食堂では「子ども食堂を単にご飯を食べる場所ではなく、食堂を利用する子どもやご家族が様々な繋がりや体験を得られる場所にしたい」という考えのもと、これまで「子ども食堂×〇〇」のイベントや活動を地域で定期的に行なってきました。S.C.P. Japanでもスポーツを通じて人と人とが繋がることを大切にし、開発と平和のためのスポーツの視点を取り入れ「スポーツ×〇〇」の活動を設立当初から行なってきており、さらに団体創設メンバーの1人である繁浪由希が金沢市出身であることから、コラボイベントが実現。この定期的な連携イベントを通して、繋がりが希薄化し、助けが必要な時に助けを求められないそんな社会やコミュニティを変えたいという共通の思いで継続してきました。そしてこの度、両者の抱く子どもたちや地域づくりに対する思いに共感した金沢市で足場業を営むTSUTSUJI株式会社が新たに仲間に加わり、第4回目のイベント開催が実現しました。


「モグモグサッカーフェスタ〜元気!勇気!幸せを届ける食堂〜」開催報告

今回これまで行なってきた「スポーツ×子ども食堂」イベントを「モグモグサッカーフェスタ」と新たに名付けて開催。会場は室内フットサルコート2面とキッチン・カフェスペースを兼ね備え、地域の様々な方が繋がる居場所となっているmark sports communityを前回に引き続き利用させていただきました。当日は、年齢や性別、障がいの有無などに関係なく51名の方々にご参加いただき、前半は一緒に運動を楽しむ活動を行いました。サッカーの試合では、「歩くサッカー」と「走るサッカー」の2コートを用意し、子どもたちや一緒に参加をしている保護者の方が自分のプレーしたい方法をその時の気持ちに合わせて選べるようにしたり、その場で一緒にルールを決めたりしながら取り組むことで、誰にとってもインクルーシブな環境づくりを目指しました。最初は緊張した様子だったお子さんや保護者の方も、一緒に身体を動かすことで次第に笑顔いっぱいで楽しむ姿がみられました。


運動後はおおくわこども食堂スタッフとTSUTSUJI株式会社の従業員の方々が準備してくださった食事をカフェスペースにていただき、団欒の時間を過ごしました。毎年ご参加いただいているご家族もおり、「このイベントの開催を毎回楽しみにしています!」と開催を喜ぶ声もいただきました。


イベントの最後には、TSUTSUJI株式会社繁浪大基代表取締役から参加の子どもたちに向けて「人と自分を比べたり、人に合わせたりする必要はない。これからも自分を信じて突き進んでください」という大切なメッセージを届けていただきました。


TSUTSUJI株式会社 代表取締役 繁浪大基氏からのコメント

普段は建設業の足場工事を行なっています。僕自身、小さい頃からサッカーをしていて、今はコーチをしており、なにか会社としてサッカーを通じたイベントをしたいという思いから、今回のイベントをお手伝いさせていただきました。我々TSUTSUJIの理念である、『元気、勇気、幸せをつくる』をサブタイトルにしていただき、参加した子ども達に届ける思いでしたが、S.C.P. Japanさんの子ども達に対する素晴らしい関わりで、子ども達の笑顔といきいきとした表情を見ることができ、逆に元気付けてもらいました。今後もこのような機会がありましたら、ぜひご協力させていただきます。本日は誠にありがとうございました。それでは皆さん、今日も最高の一日に!

  • ご協力いただいた団体一覧

協賛:TSUTSUJI株式会社(https://www.tsutsuji-ishikawa.com/


協力:おおくわこども食堂


会場協力:mark sports community(https://markspo.com/

<パートナー連携に関するお問い合わせ>
メール:info@scpjapan.com
電話:090-9974-1012(担当:井上)

【告知】知的障がいのある女の子のための女子サッカーチーム設立のお知らせ。2024年4月から活動開始、新規メンバー募集中!

FIFA Foundation Community Programmeのサポートを受け、千葉県流山市、柏市周辺にて知的障がいのある女の子・女性のためのサッカーチーム活動を開始することとなりました。




以下の募集概要をご確認いただき、ぜひご関心のある方はお気軽にご参加ください。

<チーム・活動情報>

1.活動:週1回程度(土曜日、日曜日または祝日など)
以下の日程で体験会を開催します。お試し参加大歓迎!
①4月20日(土)13:00〜14:30(場所:SAL SPORTS PARK 流山おおたかの森)※屋外フットサル場
②4月27日(土)13:00〜14:30(場所:FFCモラージュ柏)※屋外フットサル場

【5月の予定】5/4(土),5/12(日),5/18(土),5/26(日)13:00〜14:30
※スケジュールは変更となることがあります。
※会場は決まり次第お知らせいたします。

2.チームが大切にしていること:
・サッカーが好きという気持ち(モチベーション)
・選手もコーチもサッカーを楽しむこと(エンジョイ)
・仲間とのつながりを感じられること(チームワーク)
・自分を大事に思えること(エンパワーメント)
・他者を尊重し、違いを歓迎すること(リスペクト)

3.競技レベル:
初心者大歓迎!一人ひとりがサッカーのルールや簡単な戦術を理解し、サッカーチームとして、他のチームと対戦できることを目指します。
※「レクリエーションレベルで楽しみたい」「グループ活動(かつどう)に慣れることから始めたい」「家族(親子)で参加したい」という方は、サッカーやスポーツを活用したレクリエーション活動(かつどう)「FindFunスポーツ教室」を月に1度開催しておりますので、こちらもあわせて是非ご検討ください。
→Find Funスポーツ教室:https://scpjapan.com/blog/archives/3434

4.本活動の参加対象:
以下すべてに当てはまる方
●12さい以上の知的障がいのある女性(*1,2)
●本人に参加意思がある
●簡単なルールや説明が理解できる

*1)療育手帳を取得している方
*2)出生時に割り当てられた性別が女性の方、または出生時に割り当てられた性別に関係なく性自認が女性の方やそうかも?と思っている方

5.活動場所:千葉県流山市・柏市周辺のフットサル場・サッカー場・体育館など(予定)
※不定期で、県外での交流活動や交流試合が入ることがあります。

6.活動参加費:無料(交通費などは参加者の方でご負担いただきます。)

7.参加方法:以下のWEBフォームより参加申込みをお願いします。

※体験参加を経てチームに入団される場合は、所定の申込書をご記入いただきます。

<コーチ/スタッフ紹介>

① 井上 由惟子
・資格:JFA指導者ライセンスC級、JIFFインクルーシブフットボールコーチ
・サッカー歴:ジェフユナイテッド市原千葉レディースや年代別代表チームでプレー。2023年に開催された「知的障がい者サッカー女子日本代表UAEとの交流親善マッチ」にコーチとして参加。

② 繁浪 由希
・サッカー歴:常盤木学園やジェフユナイテッド市原千葉レディースでプレー。2023年に開催された「知的障がい者サッカー女子日本代表UAEとの交流親善マッチ」にコーチとして参加。

③橋本 紗英
・サッカー歴:順天堂大学女子サッカー部でプレー。2023年ニュージーランド留学中にスペシャルオリンピックスニュージーランドの行うサッカー活動にスタッフとして定期的に参加。

【スペシャルコーチ】
齊藤夕眞選手:JFA指導者ライセンスB級。現役のサッカー選手。現在はなでしこリーグ1部ヴィアマテラス宮崎にてプレー。JFA指導者ライセンスB級。
※シーズンオフの期間などにスペシャルコーチとして活動に参加します。

今回は選手だけでなく、活動に参加してくださるスタッフ・ボランティアも募集しておりますので、質問・ご不明点等ありましたら、お問い合わせ先にお気軽にご連絡ください。

■助成:FIFA Foundation Community Programme

■主催(運営) 一般社団法人 S.C.P. Japan:「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」をビジョンに、スポーツを通じた共生社会の実現を目指し、2020年に設立。①運動プログラム、②研修・啓発活動(かつどう)、③交流プログラムを柱に、障がい、ジェンダー、LGBTQ+、セーフガーディング、国際協力などのテーマで多様な団体と連携しながらプロジェクトを実施しています。

<お問い合わせ>
一般社団法人 S.C.P. Japan
担当:橋本、井上
メール:info@scpjapan.com
電話:090-9974-1012
WEBサイト:https://scpjapan.com/

【報告】第7回Break Talks「テーマ:誰もが楽しめるボルダリング」(2023.3.8)国際女性デー特別企画

3月8日(水)の国際女性デーに、第7回BreakTalksを開催しました。今回は国際女性デー特別企画として、住友商事株式会社(以下、住友商事)(※1)が共催。ゲストに、東京2020オリンピックの日本代表で住友商事が応援しているプロクライマーの原田海(はらだ かい)選手をお招きし、19人の参加者とともに、「誰もが楽しめるボルダリング」をテーマに対話をしました。

原田選手は、2018年の世界選手権ボルダリング種目で優勝を飾り、東京2020大会でも日本代表として出場するなど、国内随一の才能を持つ選手として活躍しています。「自分に打ち克つ」ことを信条とし、日々セルフプロデュースを実践する他、クライミングの魅力を広めるためにさまざまなメディアでの発信も行っています。

イベントは原田選手とモデレーターの折目真地さん(S.C.P. Japan)のトークセッションから始まりました。原田選手は競技を続ける傍ら、クライミングの普及活動もされているそうで、「ボルダリングがスポーツクライミングの中の3つの競技のうちの1つで、道具を一切使わず、高さ4メートルから5メートルの壁を自分の身体のみで登る競技である」と、基礎知識を参加者に共有しました。

原田選手は幼い頃に、偶然立ち寄ったクライミング施設で、性別や年齢などに関わらず誰もがクライミングを楽しんでいた様子を見てクライミングに惹かれたよう。「競技が始まる前に登るルートを下見し、選手同士が登り方を話し合う時間が、クライミングの特徴であり、魅力である」と語りました。

母子家庭で育った原田選手にとって、クライミングとの出会いは特別でした。「家で一人でいる時間が長くつらい時もありましたが、クライミングに出会ってジムで仲間と練習をして、夢中になれる時間が作れた」とのこと。子どものサポートをしている非営利団体と積極的に関わるのも、子どもたちに夢中になれるものを持ってもらいたいとの思いがあるとのことでした。

また、クライミングは、男女の差をあまり感じにくい競技のようで、「同じクライミングの課題を前にしても、女性の方がパフォーマンスが高いことも良くある」と原田選手。クライミングは女性もチャレンジしやすい競技であることが伺えました。

トークセッションの後は、パネルディスカッションが行われ、障がい者のクライミング普及活動をしているNPO法人モンキーマジックの白井唯さんとS.C.P. Japanで障がいのある女の子の運動プログラムを担当している井上由惟子さんの2名が加わりました。

モンキーマジックは「見えない壁だって超えられる」をモットーに、視覚障がいの方を対象としたクライミングスクールとして始まり、今は多様な障がいのある方にも参加いただいているそうです。白井さんは「視覚障がいのある方は、手で握るホールドの位置や色が見えないのでHKK(方向・距離・形)という独自の手法でホールドの位置を伝えている」と紹介しました。

一方で、障がいのある女の子が運動に参加することが難しい状況にあると井上さんは感じています。S.C.P. JapanのFind Funスポーツ教室は、知的障がい、発達障がいのある女の子のためのスポーツ教室です。「障がいのある子ども向けの運動教室をすると男の子の参加が圧倒的に多い。女の子に特化したプログラムを始めたところ、毎回10人程度の参加者が来てくれている」と、障がいのある女の子へは異なるアプローチが必要であったと話しました。

原田選手は「運動能力や性別に関わらず、強い選手も沢山いる」とクライミングの特徴を教えてくれました。みんなで助け合い、競技をしながらも、個々の特徴に合わせてチャレンジできる空間があるクライミングの魅力が紹介されました。

最後に、運動の場が楽しくあるここと、そして安全・安全に自分らしいチャレンジが積み重ねられる場所を提供していきたいとディスカションが締めくくられました。

S.C.P. Japanは、BreakTalksを通して今後も多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作りたいと考えています。

今回のイベントは、住友商事株式会社(以下、住友商事)にご協力いただき実施にいたりました。S.C.P. Japanが住友商事の「100SEED」(※2)に所属するメンバーから、営業資料の作成をサポートいただいたことがきっかけです。

■住友商事プロボノチームのS.C.P. Japanへのご支援に関する詳細はこちら:

本企画を実施するにあたり、参加を快くお引き受けいただきました原田選手、白井さん、協力団体としてご尽力いただきました住友商事の皆さま、手話通訳者様、そしてご参加いただきました参加者及び関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

※1 住友商事は2018年よりゴールドスポンサーとして、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会に協賛。2019年からは、原田海選手とスポンサー契約を結んでいます。

スポーツクライミング | 住友商事 (sumitomocorp.com):

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/special/climbing

※2 住友商事の「100SEED」

世界各地の住友商事グループ社員が、「良質な教育」をテーマに、自ら対話し、積極的に参加することで、それぞれの地域社会の教育課題の解決に取り組む社会貢献活動プログラム

S.C.P. Japanと野村HDが協働で実施する大学女性アスリート向け「ライフプランとお金の話」セミナーの第2弾を、3月7日に開催しました!経済的自立に焦点を当て、女性アスリートのエンパワーメントを目指します。

一般社団法人S.C.P. Japanは、2022年度、野村ホールディングス株式会社(以下、野村HD)様と、パートナー企業として、協働しています。昨年8月には、協働事業である大学女性アスリートの経済的エンパワーメントを目指す「ライフプランとお金の話」セミナーのパイロット事業をスタートしました。

詳細はこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000105291.html

本事業は、若い女性が自立して豊かな人生を送ることを目的とし、経済的な自立をサポートする研修を野村HD様にお願いさせていただいています。2022年、世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップレポート」では、日本は146か国中116位に位置し、特に「経済」と「政治」の分野におけるジェンダー平等の実現が課題であることが指摘されています。

多様な女性たちが「自分らしい未来」を歩んでいくために、経済的自立は重要な要素の一つです。SCP Japanは野村HDと共に、若い世代の女性アスリートがお金について正しい知識を持ち、考えることのできる場を増やしていきたいと考えています。

今年の3月7日には、第2弾として、日本女子体育大学の女子サッカー部に所属する11人へ「ライフプランとお金の話」セミナーを実施しました。

講師は、前回に引き続き、野村HDサステナビリティ推進室DEI推進課⻑の⼤⾕英⼦さんと同課所属の岩崎真理さんに務めていただきました。

「100万円あったら何に使いますか?」という質問からセミナーはスタート。参加者からは、家のリフォーム、海外旅行、免許の取得、1人暮らし、貯金などの回答が上がりました。

大谷さんは、その上で「どんな将来にしたいのか?」の理想を現実にするために、「行動の自立」「キャリアの自立」「経済的自立」が必要であることを共有。男女間の賃金格差にも触れながら、大学生にとって関連のある初任給や家計管理、お金を借りることについて解説しました。

後半は、岩崎さんより、お金を貯める・殖やすという「資産形成」についてのお話がありました。物価が高騰し人々の生活が苦しくなる中で、どのようにして賢くお金を運用すれば良いのか、投資をする上でのポイントやリスクについて共有しました。


参加した11人の学生たちは、投票機能を用いた質問に答えたり、理想のライフプランの実現のためにかかるお金を計算するワークに取り組みました。セミナーの最後には、「物価高はいつ止まるのか」や「少子高齢化社会で、個人としてどのような対策をしていけば良いのか」など、最近のお金にまつわるニュースに関連した質問も上がり、大学生のお金への関心の高さや不安もうかがえた時間となりました。

【参加した学生からのコメント】

・「今は、将来のためにお金を貯めたり、保険のことを考えていないので、考えて行動する事を促してくれた」(大学1年生)

・「これからのライフプランにかかるお金のことをしっかり知ることができたし、お金の動きを学ぶことができた」(大学2年生)

・「投資信託や預金、株式、債券について深い知識を学ぶことができたので、今後に生かしていきたいと思った」(大学3年生)

【報告】開発と平和のためのスポーツ国際デー特別ウェビナー「運動プログラムとゲームベースアプローチ(GBA)」開催(2022.4.6)

「開発と平和のためのスポーツ国際デー(International Day of Sport for Development and Peace: IDSDP)」の4月6日(水)に、一般社団法人コーチトラスト協力のもと、特別オンラインイベントを開催しました。

「開発と平和のためのスポーツ国際デー(International Day of Sport for Development and Peace: IDSDP)」とは、スポーツの平和と開発を促し、寛容と相互理解を育む側面に着目して開発と平和に資するスポーツの活用について啓発する日と定められています。

今回のイベントでは、S.C.P. Japanの運動共育プログラムでも採用しているゲームベースアプローチ(GBAs:Game-Based Approaches)について、一般社団法人コーチトラスト代表理事であり、筑波大学体育系准教授の松元剛先生をお招きし理解を深めるとともに、S.C.P. Japanのプログラムを事例に、GBAsの考え方や、なぜGBAsが今求められているのか、学術的背景を踏まえて解説いただきました。

まずは、松元先生より一般社団法人コーチトラストの活動をご紹介いただき、ゲームベースアプローチ・プロジェクトの活動や引退競走馬支援プロジェクトについての紹介がありました。

次に、GBAsを実践で活用している事例として、S.C.P. Japanの運動共育プログラムの紹介を行いました。指導者が一方向で教えるのではなく、指導者を含めその場にいる人たちが対話を通して多様な個人を認め合う空間を共につくっていくことから、共に育むと書いて「運動共育プログラム」と表記しています。

S.C.P. Japanの運動共育プログラムには2種類のプログラムがあり、バルサ財団と連携して開催する「FutbolNetプログラム」と、S.C.P. Japanが主催する「ハッピーサッカー教室/ハッピースポーツ教室」について紹介しました。

「FutbolNetプログラム」においては、運動ゲーム自体が誰でも参加できるものとなっており、ゲームを通して多様性理解を深め、協力や尊重などの価値観について経験的に理解を深めています。また、運動ゲームに加えて必ずセットで「対話」の時間を設けることで、コミュニケーション能力などの社会的スキルを身につけることも目的としています。

同様に「ハッピーサッカー教室/ハッピースポーツ教室」においても、運動ゲームを通して子どもの権利について学ぶ機会を設けたり、ジェンダーについて経験的に考えるための運動ゲームを実施していることを紹介しました。

S.C.P. Japanの運動共育プログラムの紹介を受けて、松元先生は「まさに、ゲームベースアプローチの実践ですね」と話した上で「ゲームベースアプローチ(GBAs)とは何か?」を学術的に解説しました。

GBAsはスポーツのコーチング方法としてグローバルスタンダードであり、草の根のスポーツプログラムからトップアスリートの指導法まで幅広く活用されている理論です。特にラグビーなどの集団スポーツにおいては、以前より「Game Sense」という言葉で研究・実践されていた理論でもあります。

GBAsでは、学習者(プレーヤー)が「ゲーム形式(修正された・誇張されたゲーム)」の実践を通して「気づき(戦術的、社会的課題)」を得て、その気づきから「実践する力(技能、社会的スキル)」を身につけるというサイクルを繰り返します。

「ゲーム形式(修正された・誇張されたゲーム)」とは、学習者(プレーヤー)にとって必要な「気づき(戦術的、社会的課題)」が何であるかを指導者(ファシリテーター)が事前に考え、学習者(プレーヤー)が「気づき(戦術的、社会的課題)」を学ぶための修正がなされたゲームのことです。指導者がその場に複数いるのであれば指導者(ファシリテーター)間で情報共有が行われます。このようなゲーム形式を選択することが指導者(ファシリテーター)の役割の一つだそうです。

また、GBAsのサイクルのお話だけでなく、指導者(ファシリテーター)が指導(支援)する上でのポイントのお話もありました。「多くの質問をする」「あまり答えを与えない」というポイントにおいて、実際の現場では指導者(ファシリテーター)が答えを急いで提示してしまうことがあるそうです。「いかに答えを急がず、指導者(ファシリテーター)が我慢できるかも大切だ」と話しました。

松元先生からのGBAsについての学術的解説のあとは、質疑応答の時間になり、S.C.P. Japanのメンバーからの質問も含めて、多数の質問が寄せられました。松元先生は、一つ一つの質問に対して丁寧に、質問者のフィールドを確認しながら回答しました。

GBAsは、一つのスポーツ指導モデルであり、競技スポーツといったトップアスリートへのアプローチはもちろんのこと、多様な人たちがこの指導モデルをツールとして共に理解しながら主体的にゲームに取り組む場になっているとのことです。

まだまだ質問も尽きない中、時間も限られていましたので、参加された皆さまと共に最後は写真撮影を行いました。今回のイベントを開催した4月6日の「開発と平和のため国際スポーツデー」には、世界中の人たちがホワイトカードでスポーツを通じた平和促進の意思表明をするデジタルキャンペーンが行われています。

【告知】国際女性デー特別企画!第2回女子サッカーブリッジ × S.C.P. Japanコラボオンラインイベント (2022.3.5)

3月8日の「国際女性デー」を祝して、S.C.P. Japanと女子サッカーブリッジは今年もオンラインイベントを開催いたします!イベント当日(3月5日)は、「私の人生をデザインする」を大きなテーマに「自分らしく豊かにいきるために考えておきたいこと」に関連するいくつかの話題に分かれて、参加者同士が自由にディスカッションをします。また、冒頭には女子サッカーブリッジOGより、約30年間女子サッカーアメリカツアーを開催してきたブリッジプログラムの紹介と、4年に1度開催されている『(IWG)世界女性スポーツ会議』の概要を紹介します。

※2021年の国際女性デーに第1回コラボイベントを実施し、この度第2回(2年連続)の開催が実現しました。2021年のイベントの様子はこちら
※本イベントはS.C.P. Japan主催の交流イベント「BreakTalks」の一環として実施しています。

【イベント概要】
国際女性デー特別企画!
第2回 女子サッカーブリッジ × S.C.P. Japan コラボオンラインイベント

■実施日:
2022年3月5日(土)20:00~21:30
■テーマ:
「私の人生をデザインする ~自分らしく豊かにいきるために考えておきたいこと~」
■会場:
オンライン(Zoomを使用)
※お申込みいただいた後、イベント前日までにZoomURLをお知らせします。
■参加対象:
以下の方々や、テーマにご関心がある方であれば誰でもOK!
★★留学に関心のある方、スポーツ選手のセカンドキャリアに関心のある方、サッカー関係者、海外に興味のある方、スポーツをするお子さんの保護者、ジェンダー問題に関心のある方、D&IやDEIに関心のある方、スポーツ通じた社会作りに関心のある方、など★★
■参加費:無料
■応募方法:
① オンライン申込みによる応募(申込みフォームはこちら
② 本フォームでのお申込みが難しい方は、info@scpjapan.com へご連絡ください。
■申込み期日:
3月5日(土)15:00まで
■その他:
ボランティア手話通訳あり。UDトークなどをお持ちの方は併用でご使用ください。

【イベント内容】

20:00〜20:10 オープニング、主催団体紹介
20:10〜20:25 「世界女性スポーツ会議(IWG)概要、IWGに向けての取り組み」
20:25〜20:45 *テーマ別ディスカッション① 
20:50〜21:10  *テーマ別ディスカッション②
21:15〜21:25 感想共有・写真撮影
21:25〜21:30 クロージング

※テーマ別ディスカッションでは以下7つのテーマのブレイクアウトルームを用意。参加者は気になるテーマのお部屋に入れます。
<ブレイクアウトルーム別テーマ(予定)>
1.「出産・育児と私の人生」部屋
2.「人生選択の連続、決断ってどうする?」部屋
3.「海外経験から日本での生活に活かせることを考える」部屋
4.「叶えたい夢、推しについて語る」部屋
5.「LGBTQ+/性の多様性について語る」部屋
6.「日々のもやもやについて吐き出す」部屋
7.「留学/女子サッカーブリッジについて何でも相談」部屋

<主催団体>
①女子サッカーブリッジ(http://www.girlsoccer-bridge.com/
女子サッカーブリッジはこれまで50名以上の日本の女子サッカー選手の留学をサポートし、約30年間に渡りブリッジツアーを開催して日本のサッカー少女たちにアメリカでサッカーをする機会を作ってきました。
これまでブリッジツアーに参加した人数は延500人です。「サッカーのレベルは関係なし!想いと意志がある人なら誰でもサポートする」が女子サッカーブリッジのモットーです。

②一般社団法人S.C.P. Japan(https://scpjapan.com/
「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来を創る」というビジョンの下、スポーツを通じた教育・研修・人材育成・国際協力事業等を行い共生社会を推進する活動をしています。

【お知らせ】ウィメン・ウィンの「オンサイドファンド」から助成金を獲得。スポーツを通じたジェンダー平等プロジェクト開始

S.C.P. Japanはオランダを拠点にスポーツを通じたジェンダー平等を国際的に推進する非営利団体のウィメンウィン(Women Win)が運営・実施をする、「オンサイドファンド(ONESIDE Fund)」からプロジェクトの助成金の対象団体として選ばれました。

オンサイドファンド(ONSIDE Fund)は、全ての女性と女児が平等にスポーツにアクセスできる権利を保証するために、各国・各地域の特徴に応じたローカルな解決策の提案を推奨するために開始され助成プログラムです。また、20代を中心とした組織であり、フェミニズムの視点に立ったプロジェクトを実施している団体を助成金の対象団体としています。オンサイドファンドは、全てのシスジェンダー、トランスジェンダー、ノンバイナリーの人々を支援し、社会構造上、不利な立場にある、黒人、先住民、混血、有色人種、LGBTQ+、難民、移民コミュニティの女性と女児(障がいの有無に関わらず)への支援を重点においています。

ONSIDE Fundのウェブサイト:https://www.onsidefund.org/

本助成には、世界105か国836のプロジェクトが申請し、第1弾セレクションと第2弾セレクションを経て49のプロジェクトが助成対象プロジェクトとして選定されました。S.C.P. Japanは第2弾セレクションで対象団体として選定されました。アジア・大洋州地域からはS.C.P. Japanの他に、ネパール、パプア・ニューギニア、インド、パキスタン、ラオス、サモア、スリランカの団体が選定されました。

S.C.P. Japanは本プロジェクトの中で「女性らしさの再定義」をテーマに映像制作を行う予定です。サッカー界やプライドハウス東京とも連携しながらプロジェクト進めていきたいと思います。

※ウィメン・ウィン(Women Win)とは
2006年にスポーツを通じてジェンダー平等社会を目指すことを目的に、オランダのアムステルダムに設立された非営利組織です。世界中の女性と女児が安全・安心にスポーツにアクセスできる環境を整えるともに、現地の文化に合わせて、スポーツを通じた多様な教育・啓発プログラムを現地のパートナー団体と展開しています。2019年には世界36か国56のパートナー団体の活動に協力し、これまでに400万人以上の女性たちの活動をサポートしています。

Women Winのウェブサイト:https://www.womenwin.org/

【報告】WEリーグが主催する「第二回WE MEETING」にて講師をさせていただきました。(2021.5.6)

2021年5月6日(木)に一般社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)が主催する「第二回WE MEETING」にて共同代表の野口亜弥が講師を務めさせていただきました。

WEリーグとはWomen Empowerment Leagueの略称であり、今年の9月に開幕する日本初の女子のプロサッカーリーグです。女子サッカー、スポーツを通じて多様性の溢れる社会、女性が輝く社会を実現することが理念として掲げられています。

第二回WE MEETINGでは、「サッカーを通じて女性がエンパワーメントされるとはどういったことなのか」、「誰もが力を発揮できるスポーツ文化をどのように作っていくべきなのか」、そして「多様性が尊重される社会の実現にスポーツはどのように貢献できるのか」について、ジェンダーの視点から選手の皆さんとディスカッションさせていただきました。

WE MEETINGを経て、WEリーグの行動規範である「クレド」の開発が進められています。
日本のスポーツ界の歴史的な瞬間に関われたことは大変嬉しく、光栄な機会をいただき感謝しています。

尚、「第一回WE MEETING」の様子はWEリーグのホームページよりご覧いただけます。

【報告】ダイバーシティサッカー協会主催「Women Empowermentと女子サッカー」に登壇させていただきました。(2021.3.9)

2021年3月9日(火)にNPO法人ダイバーシティサッカー協会が主催するSaturday Night Diver 「Women Empowerment と女子サッカー」に共同代表の野口が登壇させていただきました。

NPO法人ダイバーシティサッカー協会(以下、HPより引用)

ダイバーシティサッカー協会は、多様な背景を持つ人がスポーツを通じて自分らしく生きられる社会を目指して2017年7月に設立されました。

2008年にNPO法人ビッグイシュー基金のクラブ活動として発足したホームレス当事者や経験者によるサッカーチーム野武士ジャパンを中心に、多様な社会的困難を抱える当事者と支援者が作るチームのネットワークによって、「居心地のいい」サッカーやスポーツの実践を広げるために活動しています。

過去3度ホームレス・ワールドカップに出場した野武士ジャパンのメンバーは、その後それぞれに自立へのステップを歩んでいきました。彼らが経験した晴れ舞台を、もっと身近なところでより多くの人たちにも経験してほしい。

そんな想いから、2015年に最初のダイバーシティカップが開催されました。以後、ホームレス、うつ病などの精神障害、LGBT、難民、フリースクール、児童養護施設出身、不登校、ひきこもり、依存症など、様々な社会的困難を抱えた当事者と支援者のべ1,500人以上が、ダイバーシティカップでフットサルを通じて交流し、相互理解を深めてきました。

2020年3月には特定非営利活動法人として登記。誰もが生きやすい社会をスポーツを通じて実現していくために、居場所づくり応援、調査・研究、海外とのかかわりなど、ますます活動の幅を広げていきます。

ダイバーシティサッカー協会の代表理事の鈴木直文先生は研究者としていつも学ばせていただいているので、今回お声かけいただけたのは大変貴重な機会でした。NIKE JapanのCMをきっかけに、女子サッカーにはマイノリティを包摂する力があるのではないか?という切り口は非常に斬新で、これまでにないスポーツとジェンダーの話となりました。星野智幸先生の「男子サッカーからは苦しさを感じ、女子サッカーからは解放感を感じる」という視点も、非常に鋭い視点で議論が盛り上がりました。

また現役のジェフユナイテッド市原・千葉レディースの選手であり、なでしこの選手たちの社会貢献活動を推進する一般社団法人なでしこケア(なでケア)の創設者である大滝麻美さんからはより現場に近い女子サッカー選手の現状や海外での選手経験やFIFAマスターズでの経験から女子サッカーとWEリーグへの想いを聞くことができました。

女性の選手、指導者、スタッフ。サッカー界で活躍するすべての女性が女の子の道標になる可能性を秘めるWEリーグに大いに期待するとともに、決めきらない、グレーゾーン、あいまいさを残すことで獲得できる多様性の享受など、女子サッカーが多様性や共生社会について議論できるプラットフォームになれる可能性が大いにあるように感じるディスカッションとなりました。

イベントの様子はYoutubeから全てご覧いただけます。

【報告】文京区主催国際女性デー記念シンポジウム「サッカー×キャリア×未来~キャリアを活かし、未来を切り拓く~」にパネリストとして登壇させていただきました。(2021.3.5)

2021年3月5日(金)に文京区が主催する国際女性デーシンポジウム「「サッカー×キャリア×未来~キャリアを活かし、未来を切り拓く~」に共同代表の野口がパネリストとして参加させていただきました。

本シンポジウムは文京区主催、UN Women日本事務所共催、(公財)日本サッカー協会、一般社団法人日本女子プロサッカーリーグが協力して行われたシンポジウムです。

2021年9月に開幕する日本の女子プロサッカーリーグであるWEリーグはWomen’s Empowerment Leagueとの名称の通り、サッカーを通じて社会の女性の活躍を積極的に推進していくことを理念として掲げています。岡島チェアからはロールモデルとしてのWEリーガーの存在や、妊娠・出産を考慮した選手へのサポート、更には日本国内に留まらず、アジア全体の女子サッカーを盛り上げていきたいという方向性がお話されました。

野口からは、サッカーを活用してアメリカ、スウェーデン、ザンビアで暮らし、国際経験を積めたことがセカンドキャリアにどのように活かされているのか実体験を踏まえてお話させていただきました。

今年9月に開幕を控えるWEリーグですが、世界でも珍しく、社会におけるジェンダー平等、女性のエンパワーメントをビジョンに掲げています。元女子サッカー選手3名で創設したS.C.P. Japanも女子サッカー出身者として、セカンドキャリアにおいても、自分たちらしくどこかで誰かの道標になれるように、今後とも活動していきたいと思います。

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